機能性表示食品の普及を阻む壁

従来の特定保健用食品と比べて届け出制のため、多くの会社が参入するのではないかと思われていた機能性表示食品ですが、思ったほど市場規模は拡大していません。

2015年4月から登場した新しい制度でまだ定着していないとはいえ、期待していたほどの結果になっていないのは明らかです。

では、なぜこの制度は現在あまり普及していないのでしょうか。

それは、生産者、そして小売店ともに売りにくい制度だからです。

それぞれに影響する法律の規制が、この制度の普及の壁となっているようです。

まず生産者側から見ると、届け出までのハードルが非常に高いというのがあります。

個別審査タイプの特定保健用食品と比べればかなり簡単なんだろうと思われるかもしれませんが、届け出だけでも集めなければならない書類が数十種類あり、特に効果を実証する点では、臨床試験や研究レビューなどを添付する必要があります。

これは、機能性表示食品を取得することのメリットが不透明な状況においては、非常にコストが大きいところでしょう。

また、小売店からしても、商品パッケージに機能性表示食品であることを記載することはかまいませんが、店内のPOPやチラシなどに効果をうたうことはできない仕組みになっています。

せっかく届け出をして名乗れるようになったとしても、その効果を大々的に歌えないのであれば、消費者に向けてアピールするには片手落ちです。

こうしたところから、小売店からも敬遠されてしまっているのが現状なのです。

安全性を確保することは確かに何よりも重要なことですが、より生産者と小売店が参入しやすい環境にならない限りは、制度の発展と消費者への普及は非常に難しいと言わざるを得ませんね。機能性表示届け出

最終更新日 2025年5月20日


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