雛人形が数多くひしめく雛段飾りですが、みなさんは疑問に思ったことはないでしょうか。
一般的にはお内裏様とお雛様の下の段には左大臣と右大臣がおかれるのですが、普通に考えるとその配置が逆ではないか?と思ってしまうのです。
伝統的な飾り方では、右大臣を向かって左に、左大臣を向かって右に配置するんですね。
つまり、左右逆に配置することになるのですが、実はこれは大きな理由があったのです。
雛段飾りに隠された日本古来の伝統などを紐解いてご説明したいと思います。
みなさんももしかしたらこの知識を知ったら誰かに話したくなっちゃうかもしれませんよ。
まず、この左大臣と右大臣の左右は「どこ」を基準にして判断しているかというと、それはお内裏様、つまり天皇を基準にして判断しているのです。
天皇の左手側に座っているから左大臣、天皇の右手側に座っているから右大臣、というわけなんですね。
雛人形は昔の朝廷の様子を再現したお人形ですから、まさに当時の官職である右大臣と左大臣が陳列されるというわけなんです。
ちなみに、この右大臣と左大臣、どっちのほうがえらいのか皆さんはご存知でしょうか。
実は、左大臣のほうがえらいのです。
古くは朝廷の役職は、天皇の代理たる関白、摂政を除くと、一位が太政大臣、二位が左大臣、三位が右大臣、となっており、非常に高い地位でした。
さらに言えば、太政大臣は臨時で置かれることも多く、常に設置されている役職の中では事実上左大臣が一番上の大臣だったのです。
ではなぜ左のほうが右よりもえらいのかというと、さまざまな説があります。
太陽が昇る南の方角を向くと、左から太陽が昇って右に沈んでいくからだ、というような説もありますし、そのほか人間の利き腕に関する説などもあります。
文化や国によって左右どちらを優位とするのかは違いがあり、中国や西洋では右のほうが上のようです。
このように文化や歴史を学べるきっかけになるのも雛人形のいいところですね。雛人形の通販なら曽根人形
最終更新日 2025年5月20日