風力発電は、太陽光発電と同じく再生可能エネルギーを使った発電システムの総称であり、風の力を使って風車を回転させる、風車の回転運動を発電機に伝え起電力を作り出すなどの仕組みを持ちます。
発電機では、風の強さおよび風向きなどを測定して羽根の角度や風車の向きを動的に変えながら起電力を作り出すため、効率的な発電が期待できることや風が吹いていれば夜間でも電気を作れるなどのメリットもあるわけです。
巨大な風車ゆえに被害を受けることも・・・
ちなみに、日本などでは台風が上陸して各地に大きな被害を与えることもありますし、海外などでは巨大なハリケーンや竜巻などが発生することもあるなど、このようなときには風力発電はかなりの電気を作り出せるのではないかなどのイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
巨大な風車であり、最大瞬間風速が50メートルや60メートルなどのようなものとなれば被害を受けることもありますので、大型のハリケーンが近付くときなどは設備の一部を収納するなどが必要になりますし、風速が大きくなってるときには風車の回転速度が上昇傾向にあるため運転そのものが停止されるといいます。
日本の風力発電の普及率
風力発電は風があれば発電はできるけれども、その風の強さにも左右されるデメリットは存在しているようです。
日本の風力発電の普及率はどのくらいあるのか、このような疑問を持つ人も多いといえましょう。
2017年度では発電全体の割合から0.6%で2018年度は0.7%、2019年度は0.8%といった具合に若干ではあるけれども年々増加傾向にあるようです。
2019年度だけを見たとき、各発電システムの割合がどのようになっているのか簡単にご紹介しておきましょう。
再生可能エネルギーの中でも一番普及が行われているといわれている太陽光発電は7.6%で原子力が6.0%、大規模水力が5.8%でバイオマスが2.8%、小水力は1.9%で風力が0.8%、地熱は0.2%の順であり再生可能エネルギーでの発電率は19.2%の結果になりました。
2015年頃の再生可能エネルギーによる発電の割合は14.5%で、この割合は年々増加傾向にあり太陽光発電の需要が増えていることがこのような結果を出しているのではないかなどと予測できます。
今度期待されている洋上風力発電
風力発電は、海上に設置するものや陸地に設置するものなどに分けられていますが、海上に設置されるものは洋上風力発電と呼ばれるもので今度期待されている発電システムです。
日本は四方を海で囲まれた国でもあり、洋上風力発電の可能性が非常に高い国といっても過言ではないのです。
一般的に、海上に風力発電設備を建設するといったとき、一部を埋め立てしてその上に風車を建設するイメージを持つ人は多いといえます。
この場合、水深があまり深いと埋め立てもの難しくなりますし、仮に埋め立てができたとしても土台が不安定な状態では巨大な風力発電設備を建設して運転させることも困難です。
遠浅になっているような海域であれば洋上風力発電は可能になるけれども、水深がある程度あるような場所では埋め立てによる建設はできません。
この場合は、海上に浮かぶボートのようなものを設置しその上に発電設備を建設するなどのやり方があるようで、このような方法を使えば海囲まれている島国は有利なものとなりえるわけです。
騒音問題や人的な被害リスクが少ない
海の上は、陸地と比べても風が吹く時間帯が長くなりますし特に夕方になると海は風が吹くことが多く発電への期待も高まります。
また、プロペラが回ると大きな音が出るといわれており、陸地などでは騒音などの問題はあるけれども洋上であれば騒音の問題などもあまり考慮する必要がありませんし、人的な被害リスクが少ないなどのメリットもあります。
ところで、風力発電のプロペラは回転羽根と呼ばれるもの、英語名ではブレードと呼ぶことをご存じでしょうか。
陸上型の風力発電は、ブレードを回転させるだけの風を確保できる場所はかなり限定されている、仮に風を確保できるような場所が見つかってもそこが国立公園や国定公園などに指定されている管理地域であれば建設は難しいものとなりますし、観光地などのように人が多く集まるようなエリア内には建設は難しいものとなりがちです。
しかも、近隣に集落などがあればブレードが動いているときには騒音の問題があるなど、設置場所の確保は限定的であり従来からの風力発電所や風力発電装置の稼働に伴う問題などの課題が残されていました。
まとめ
これに対して、洋上風力発電は陸地に設置するときにデメリットとなる騒音やトラブルなどを考慮する必要がなくなるメリットがある、風が吹くような場所は海の上なら多数あるわけですから風力発電に最適な環境になって来ます。
日本は世界から見ると遅れはあるけれども、徐々にその需要は増える傾向があるなど将来的に有望な発電手法といっても過言ではありません。
なお、ヨーロッパ諸国での風力発電の需要は毎年約10%の拡大をしているといいます。
参考サイト
→Influx洋上風力
最終更新日 2025年5月20日